jcssの歴史と現代社会における役割

最近、日本でもトレーサビリティという言葉をよく聞くようになっています。トレーサビリティの起源は、1960年代のアメリカです。アメリカでは、1960年代になってから計測分野にトレーサビリティの考え方が取り入れられるようになります。その当時のアメリカは、ソ連との宇宙開発競争の最中でした。トレーサビリティの考え方は、徐々にアメリカの産業界に浸透していきます。そして、日本にもその考え方を取り入れようと考えた人がいたのです。しかし、日本に計量法トレーサビリティ制度が導入されたのは、アメリカよりも30年も後でした。1993年11月1日に導入されたのがjcssの始まりだったのです。この導入は、日本が国として計測標準の整備に取りかかることを表明した画期的なことだったのです。

計量法トレーサビリティ制度の普及と発展について

jcssは、計量法トレーサビリティ制度の略です。計量器などの校正に関する制度で、計量標準供給制度と校正事業者登録制度があります。制度が始まると、認定を希望する事業者から申請があり、審査が行われます。認定の最終的な審査の場がトレーサビリティ制度運営審査会です。ここでの審査を経て、1994年3月に初めてのjcss認定事業者が誕生します。認定事業者には、標準物質分野の事業者が含まれていました。さらなる普及を目的に、制度の説明会やポスターの掲示なども行われます。普及活動の努力が実り、事業者数は徐々に増えていきます。計量管理協会では、ガイドブックを刊行し、海外における計量標準供給制度の調査研究も行い、関係者の協力によって本格的に運営されるようになっていきます。

世界に通用する制度を目指しています

日本で認定制度が始まった頃、欧米ではすでに相互承認協定という概念が浸透しつつありました。経済のグローバル化が進み1995年に貿易の技術的障害に関する協定が結ばれます。日本でも、海外の状況を踏まえ、国際的に受け入れられる制度を念頭に置き、認定基準として初めから国際指針文書を採用していました。ただ、創設時点でのトレーサビリティ証明の効力は、日本国内に限定されていました。その後、国際MRAに加盟したことで、jcssの可能性は世界へと広がります。校正機関の技術能力の認定によって、高い信頼性の計測トレーサビリティを提供することができます。認定事業者が発行する標章付きの校正証明書は、品質システムの信頼性や事業者の技術能力も保証しています。また、国家計量標準にトレーサブルであることも証明します。